二重埋没法で顕微鏡を使うと何が変わる?糸の通し方と傷口の考え方
二重埋没法は「切らない手術」と言われますが、実際にはまぶたの表側・裏側に針を通し、糸のループで二重ラインを作る繊細な手術です。
数mmの範囲で、糸の通し方、結び目の位置、ループのゆるさ、表と裏の穴の位置が変わるだけでも、食い込み、腫れ、内出血、糸の違和感、持続性に影響することがあります。
ゆえクリでは、必要に応じて二重埋没法でも手術用顕微鏡や拡大視野を使い、肉眼だけでは見落としやすい細かな部分を確認します。
顕微鏡では何倍くらいに見えるのか
手術用顕微鏡は、設定によって術野を数倍から十数倍程度まで拡大して見ることができます。
肉眼でも手術はできますが、顕微鏡を使うと、皮膚の小さな穴、結膜側の針穴、細い血管、糸の走行、結び目の状態が確認しやすくなります。
また、まぶたの中に入り込んだ小さなホコリ、ガーゼの繊維、細かな異物も見つけやすくなります。こうしたものを丁寧に取り除くことは、術後の違和感や炎症を減らすうえで大切です。
表と裏の穴をできるだけ小さく、正確に合わせる
埋没法では、まぶたの表側と裏側に針を通します。
このとき、同じ場所を正確に使えず、穴が少しずつ増えると、傷口が大きくなったり、腫れや内出血が出やすくなったりします。
顕微鏡や拡大視野を使うと、表側・裏側の針穴を確認しながら、できるだけ小さい傷口から、狙った場所に糸を通しやすくなります。
結果として、余計な組織損傷を減らし、ダウンタイムを短くすることを目指します。
挙筋法で糸の露出や感染リスクを減らすために見ること
二重埋没法には、瞼板法や挙筋法など、糸をどこにかけるかによる違いがあります。
挙筋法は、瞼板法よりもループに余裕を持たせる設計になりやすく、良い意味ではまぶたの動きに合わせた自然さを出しやすい一方で、悪い意味では糸の通り道や結び目が安定しないと、糸の露出や感染の原因になることがあります。
そのため、糸がどこを通っているか、同じ穴からきれいに入っているか、結び目が浅すぎないか、まぶたの裏側で糸が不自然に出ていないかを確認することが重要です。
顕微鏡を使うことで、こうした細かな糸の位置を確認しやすくなり、糸の露出や感染リスクをできるだけ減らすことを目指します。
内出血を少なくするために、細い血管を見る
まぶたには細い血管が多くあります。
肉眼では見えにくい細い血管や小さな出血点も、拡大視野では確認しやすくなります。
針を通す位置を調整したり、出血点を早めに確認したりすることで、内出血や腫れを少なくすることを目指します。
もちろん、体質や血管の走行によって内出血が出ることはあります。顕微鏡を使えば絶対に腫れない、内出血しない、という意味ではありません。
ただ、見える情報が増えるほど、避けられる損傷を避けやすくなります。
顕微鏡は「派手な設備」ではなく、確認の精度を上げる道具
顕微鏡を使うこと自体が目的ではありません。
大切なのは、まぶたの状態、希望する二重幅、糸の通り道、ループのゆるさ、傷口の小ささを総合的に見て、自然さと持続性のバランスを取ることです。
安い埋没法で一番怖いのは、糸そのものより設計です。
糸の本数や名前だけではなく、どこに、どのテンションで、どのように通すか。そこを丁寧に確認するための道具として、顕微鏡や拡大視野を使っています。